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建築再生を実現した体育館

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「建て替え」だけにとどまらない耐震診断・耐震補強提案

 今回ご紹介するのは、京都府城陽市にある寺田南小学校の体育館の案件である。お話をいただいた当初は、「古い体育館なので、地震が来ても大丈夫か」ということを不安に思われており、費用はかかるが、「建て替え」しか方法がないと考えられていました。
 そのような状態で相談を受けた際、城陽市からの要望と弊社のほうから「何も建て替えだけが手段ではなく、適正な耐震診断をし、それをもとにした補強設計・改修を行っていくことでコストを下げることもできますよ」という提案をさせていただきました。「それならば」ということで、城陽市とタッグを組み耐震診断からプロジェクトをスタートさせることとなりました。
 

 打ち合わせの中で引き出されたニーズ

 耐震補強計画、設計の中での打ち合わせにおいて、実際に体育館を利用する子供たちや先生方にヒアリングを行い、この体育館の問題点を浮き彫りにした。
 この体育館は小学校のものということもあり、「駆け回る子どもたちが壁に向かって思いっきり飛び込むので、ひやひやしながら見ている」という先生方の声を伺い、壁を柔らかくするような設計を思いつき、木を壁に張り巡らすような形を提案。しかも、その提案には、既存の「床」を「壁」として再利用することも盛り込みました。

付加価値を上げつつも、コストを下げる耐震補強設計

 「床」を「壁」として利用することで、再度作り直すことに比べ、廃材が減り、エコ的な観点からも良いのは勿論のこと、コストの削減、子どもの安全性にもつながるという一石二鳥ならぬ一石三鳥的な設計でありました。
 この手法により、単純な「建て替え」では実現できなかったような「コストを下げつつも、付加価値を高める」ことが可能となりました。
 ちなみにコストは、新築での建て替えで見積もられていた2.5億円と比べ、1.5億円での再生を実現させたため、約1億円のコストダウン、建て替えの60%のコストに収まったことになります。

 

最後に

 建築物が古そうだからといって、すぐに「建て替え」をすることは必ずしも正解とはいえません。適切な「耐震診断」、それに伴う柔軟で高度な「補強計画・設計」を行うことにより、様々なニーズを満たし、付加価値を上げつつも、コストを下げるというような改修が実現するのです。

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