私たちの事務所の様に少人数で仕事をこなす事務所では、構造の人が意匠設計をしたり全員で積算をしたりすることがあります。
流石に意匠設計の人が構造をすることはありません。
まず不可能です。
実際、生半可に構造をしたい、出来るという思い込みからミスマッチでやめていった社員も何人かいます。
以後、私たちが構造設計者を採用する時に設定した判断基準は、ただまじめだけではなく問題解決能力の持ち主であること、大学の建築学科で構造にどっぷり浸かってきた人と言うことにしています。
建築的な形をつくる才能と同様に論理的に数値判断をする才能も、持って生まれた部分が多分にあります。
大学時代構造にどっぷり浸かってきた人は、論理的な組み立てと数字にアレルギ-のないデジタル人間が多いからです。
構造設計はある意味、基準との正誤性や根拠を求められる場合が多いのです。
構造は形がすでに用意されたものに対して架構を組み立ててゆく作業です。
答えは一つではありません。
場合によっては構造的な面で形や機能と架構とがぶつかることがあります。
そんな時、姉歯(耐震偽装)になるか構造的センスと意匠的発想との調整をするのか、構造設計者の全人格が問われます。
そして、それに加え事務所の経済的余裕度が重要となります。
当然、構造設計者は構造的センスに裏打ちされたあらゆる構造技術に精通していることが求められます。
私たちは毎週1回輪講を開催し、新しい技術、新しい基準を勉強研究しています。
又、私たちはありとあらゆる講習会、人間形成に必要とされるセミナ-、講演会への参加については出費をおしまず、地球上どこへ行ってもいいと宣言しています。
そして年に1度、研修と慰労を兼ね見聞を広める旅に出ることにしています。